E.デュルケム『自殺論』

L研で読む本。


全部で3編に分かれており、第1編では自殺の原因と考えられている様々な個人的要因と自殺の関連を否定・疑問視し、第2編では有名な自己本位的自殺・集団本位的自殺・アノミー的自殺の分類を提示している。第3編ではそれらを踏まえて、自殺と殺人の関係を考察し、自殺という「病弊」を改善する(減らす)策として職業集団ないしは同業組合を組織することを提言している。


やや擬似相関が疑われたり、解決策として挙げられるのは「職業」集団のみなのか、といったことが、今から見れば疑問として挙げられるものの、すごくストイックで社会における事実について論理的に追求しており、社会学の名著として挙げられるのも首肯できる本である。


自殺論 (中公文庫)

自殺論 (中公文庫)