2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

湯浅誠『どんとこい、貧困!』

よりみちパン!セシリーズ。 子ども向けに書かれた本だが、湯浅さんの基本的な価値観や立ち位置がわかる良書。 メインテーマは貧困で、そこに若者や自己責任論などが絡んでくる感じ。これらのテーマの問題は、それについて深く考えずに、あるいは知ろうとせ…

小谷敏・芳賀学・土井隆義・浅野智彦『〈若者の現在〉政治』

シリーズ本の2作目。 どの論考もあまりこれまでの研究が引用されておらず、かつ過度に分析的でないのは、まさしく〈若者の現在〉を示そうとしたからか。 個人的には辻・藤田論文と中西論文が面白かったかな。若者の政治性は実はあまり語られず、〈非〉-政治…

吉川徹『学歴分断社会』

近年流行りの格差社会論に対して、格差減少の正体は学歴分断線である、あるいは格差論と学歴社会論はきちんと分けて論じなければならないと主張する本。新書であるが故に、一般向けに書かれている。 しかし、あとがきで筆者も述べている通り、一般向けである…

ウルリッヒ・ベック『グローバル化の社会学』

理論家?ベックがグローバル化について論じた本。 グローバリティとグローバリズムの分類や再帰性とグローバル化の関連など、いくつか興味深いところがあった。 けれど、全体的にちょっと何言ってるかわからんオーラが...。 グローバル化の社会学―グローバリ…

Jennie E. Brand and Yu Xie "Who Benefits Most from College? Evidence for Negative Selection in Heterogeneous Economic Returns to Higher Education"

Iゼミ用。 大卒学歴が将来の収入に与える影響についての論文。 経済学の分野では、合理的選択理論にもとづいて、利益を追求するために、大卒学歴が収入へ与える効果が最も大きいのは大学進学しやすい人々においてであると考える(らしい)。 大学進学を選択…