2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

雨宮処凛・萱野稔人『「生きづらさ」について—貧困、アイデンティティ、ナショナリズム』

雨宮さんと萱野さんの対談本。 基本的には本人たちが書いていること、また他の人たちが書いていることをなぞるものであった。 でもやはり、貧困がアイデンティティの揺らぎを生み、それがナショナリズムや新自由主義と結びつくということは考えなければいけ…

デイヴィッド・オレル『なぜ経済予測は間違えるのか』

Sゼミの文献。 過小評価について書かれた部分があったが、過小に見積もることは、一見マイナスしか生み出さないように見えて、実はWin-Win関係を生じさせるものなのかもしれない。 たとえばある事業を行うことのリスクを過小に見積もることによって、事業者…

マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

L研用。 面白かった。 ウェーバーによると、プロテスタントは天職観念と禁欲主義によって富を蓄積するようになったために、資本主義の精神に親和的であったらしい。 ただ、富を蓄積することは不平等を肯定することになってしまう。 これは宗教的によくないの…

コーマック・マッカーシー『ブラッド・メリディアン』

研究になかなか身が入らないので、一休み。 とにかく描写が濃い。 句読点を省いて形容を重ねた文章は圧倒されるほど。 またその中で描かれる「判事」の存在感がすごい。 なんとなくモーガン・フリーマンを思い浮かべつつ読んだのだが(たぶん長身で存在感の…

竹内洋『日本のメリトクラシー』

1,2章だけは何度も読んできたが、最後まで読み通したのは初めて。 やはり理論的で面白い部分は1,2章か。 1章でこれまでの教育とトランジション研究のパラダイムについて語り、2章でその後として、Rosenbaumのトーナメント移動およびBarton Clarkの冷却論を援…