2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

K.マルクス・F.エンゲルス『共産党宣言』

L研用に。 基本的にマルクス主義の表面をなぞり、共産党の独自性を強調する内容なので、この本独自の目新しい議論というものはほとんどない(のだろう)。 この本の内容も興味深いが、解説にあるように日本においてこの本がどのように受容されていったかが気…

広田照幸「第六章 学校の役割を再考する—職業教育主義を超えて—」

神野直彦・宮本太郎編『自壊社会からの脱却—もう一つの日本への構想』所収。 近年の筆者らしい(学校)教育全体を概観し、それ自体あるいはその周辺部分に関する意味付けを整理する内容。 筆者は「教育の福音」イデオロギーのもと、職業教育主義が近年の教育…

蟹沢孝夫『自分を伸ばす会社 自分を殺す会社』

たとえば本田由紀先生だったら正規雇用非正規雇用間の大きな溝や周辺部の拡大そしてやりがいの搾取などを持ち出して声高に疑問を投げかけるだろうと思ってしまうようなそんな本。 確かに夢を追い続けてしまう人々が一定数存在することは大きな問題で、諦める…

K.Davis and W.E.Moore, "Some Principles of Stratification"

だいぶ前に、Oさんに教えていただいた論文。 stratificationの一般的な原則と、その様々な差異について論じたもの。 人々を配分する以上、集団間の差異が生じるのは仕方ない。 ましてやそれぞれの社会的地位間には重要性に幅があるのだから、階層化が起こっ…

仲正昌樹・清家竜介・藤本一勇・北田暁大・毛利嘉孝『現代思想入門』

だいぶ前から少しずつ読んでて、ようやっと読み終わった。 「現代思想」としてフランクフルト学派、ポスト構造主義、リベラリズム、カルチュラル・スタディーズを取り上げ、そのそれぞれに対して、第一線の研究者が簡潔にまとめている。 それぞれの思想のま…

盛山和夫『統計学入門』

パラパラと読む。 最初の方は基本的な事柄の説明で、「これくらい知ってる」と思いながら読み飛ばしていたのだが、中盤以降、数式が入ってきてからも「よく分からない」と読み飛ばした。読み飛ばさざるをえなかった。 これまで統計学について、十分体系的な…

E.デュルケム『自殺論』

L研で読む本。 全部で3編に分かれており、第1編では自殺の原因と考えられている様々な個人的要因と自殺の関連を否定・疑問視し、第2編では有名な自己本位的自殺・集団本位的自殺・アノミー的自殺の分類を提示している。第3編ではそれらを踏まえて、自殺と殺…