コーマック・マッカーシー『ブラッド・メリディアン』
研究になかなか身が入らないので、一休み。
とにかく描写が濃い。
句読点を省いて形容を重ねた文章は圧倒されるほど。
またその中で描かれる「判事」の存在感がすごい。
なんとなくモーガン・フリーマンを思い浮かべつつ読んだのだが(たぶん長身で存在感のあるイメージから。でもおそらく白人だし禿頭なので、若干異なるだろう)、
モーガン・フリーマンが幾多の映画で見せる存在感以上。
あんたはどっかで製図工をやってたんだろうな。さっきの絵は本物そっくりだったよ。でもこの世界を一冊の記録簿(ほん)に書きこむのは無理だろう。この世界にあるもの全部を一冊の記録簿(ほん)に写生するのもな(中略)
判事はにやりと笑った。私の記録簿(ほん)に載ろうと載るまいとすべての人間はほかの人間のなかに宿るしその宿られた人間もほかの人間のなかに宿るという具合に存在と証言の無限の複雑な連鎖ができてそれが世界の果てまで続くんだ。
- 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/12/18
- メディア: ハードカバー
- 購入: 8人 クリック: 118回
- この商品を含むブログ (50件) を見る