苅谷剛彦+増田ユリヤ『欲ばりすぎるニッポンの教育』

対談本と言うよりは、啓蒙本といった印象。
明確な対立軸が設定されて、対等な立場で議論しているわけではなく、苅谷氏がちょっと上の立場にいるようなので。

苅谷氏の主張は、むやみに改革を語るのではなく、財政面や人材配置、あるいは学力という明確な基準の設定によって、土台を固めるべきだ、といったもの。

それに対し、増田氏は親の不安に寄り添い、不安を解消させるための方策として、フィンランドをモデルとした、学際的なカリキュラムや教員の専門性の向上etc.に親和的である。

まあ、上に挙げた2つはそれほど対立するものでもなくて、両立させていくべきなのだろうけれど、やっぱり対立してしまいがちな印象がある。



欲ばり過ぎるニッポンの教育 (講談社現代新書)

欲ばり過ぎるニッポンの教育 (講談社現代新書)